シリコンバレー起業日記

シリコンバレーでSearchManというアプリ開発社向けのマーケティングツールを作っています。

日本でもクラウド・ソーシングは流行ると確信した件

(ステマっぽく見えるかもしれませんが、誰から頼まれたわけでもなく、自分で書きたいから書いています。クラウドワークスの吉田社長とは知り合いですが、頼まれて書いているわけではありません。)

 

皆さん、クラウドソーシングというのをご存知でしょうか。自分が会ったことも無い人にネット上で仕事を依頼できる、というサービスです。本当にそんなことが出来るのか、と思われる方も多いでしょう。これが出来るんですね。

 

僕は、普段シリコンバレーに住んでいて、仕事はほぼ100%英語ということもあり、英語圏のクラウドソーシングサービスは、個人でも会社でも割と頻繁に使っています。英語圏だとoDeskとかElearnceが有名です。僕の実例を上げると、

  • 確定申告をしなければならず、過去のレシート・領収書をエクセルに打ち込まないといけない。=> まとめて全部、写真を取って「このレシートをエクセルに入力してください」
  • 英語のマーケティング・コピーの校正をしたい。=> 「この英語の文章(目的はxx, 対象はyy)校正してください」

みたいな形で良く使っています。

 

英語圏の場合、クラウドソーシングを使う明確なメリットが存在します。それはコストです。英語圏には、アメリカ以外に、アメリカよりもずっとずっと人件費が安い(が英語がネイティブな)国が存在します。どのくらい安いかというと、例えば上記のようなタスクだと、時給が$1-2(100-200円)くらいです。

 

アメリカで米ドルで生活している僕達にとっては、時給$1-2ドルではとても生活できませんが、もっと生活費が安いインド・フィリピン・バングラディシュ等の国では、英語がネイティブでありながら、時給$1-2ドルというのは決して悪い時給ではありません。

 

実際、英語圏のクラウドソーシングにもっと「難しい」仕事を頼んだこともあります。が、上手く行かなかった。時給$20-30くらいの仕事を頼むと、「うーん、悪くは無いけど、これだけ払うなら、リアルでも探せる」という具合になってしまいます。

 

という事情もあり、僕は日本でクラウドソーシングは流行らないと思っていました。理由は以下の2つです。

  1. 日本人を時給100円で雇うのはどう考えても不可能
  2. 英語圏は日本語圏の10倍の人口がいるにも関わらず、ハイレベルな仕事は向かないことを体感してしまった

 

が、クラウドワークスを眺めていたら、英語圏のクラウドソーシングとは、ちょっと雰囲気が違うなぁと思い始めました。明らかに、英語圏では見られないような、高スキルな人がたくさんいる。これは何か違うなぁと思い始めました。

 

僕は全く利害関係はないのですが、こうなったら、試してみるか、ということで試しました。とはいえ、会社のお金を使って、ビジネス関係のことを試すのは少々怖かったので、まずは、僕自身の似顔絵を作ってもらいました。

僕が似顔絵を欲しいと思った理由は、

  1. 僕自身の見た目があまり良くないw
  2. 僕の場合、経歴だけを見ると、ものすごいとっつきにくい人に見えるとよく言われるので、もっと親近感を持ってもらえるようにしたい。
  3. どうせ日本のサービスでトライするなら、アイコン(似顔絵)など、日本人が強みを持っている分野からスタートしてみよう。

という3つの理由からです。実際にやってみた結果がこちらです。

費用は1万円(自腹です)。期間は3日間。これで、40名から計62件のご提案を頂きました。

 

たった1万円で、62件の提案です!ちょっと信じられないくらい驚きました。ビックリの一言です。

予想の数倍以上提案をいただいてしまったので、選ぶのがもの凄く大変でした。妻と何度も相談し、Facecbookの友人に何度か投票をしてもらい、ようやく決まりました。ichi_164さんによるこの似顔絵です。

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私の中で最後まで、迷ったのは、amyworkさんによるご提案でした。それ以外にも、UBIK13さん、すずき匠さん、kojikojiさんからも素晴らしいご提案を頂きました。

 

今回の一連の実験を通して、何を感じたか。

  1. こんなにご提案いただいたのに1人にしか支払えないのがむしろ心苦しい。
  2. 経済格差が事実上ゼロの日本語圏でもクラウドソーシング流行ると思う。
  3. 日本の方が、クラウドソーシングにいる人のレベルが圧倒的に高い。アメリカ人の友達に「1万円でこんなに提案もらったんだ」と言ったら、本気で驚いていました。
  4. 一つの理由は、日本の教育水準が非常に高いからだと思う。
  5. もう一つの理由は、やはり日本は先進国の中では、随分昔ながらの勤務形態を引きずっていると言わざるを得ないが、その旧来型の「日本株式会社」の仕組みになじまないが、才能を持っているという人はたくさんいて、そういった人がオープンな市場で競争できる仕組みは、世の中にとって非常に価値があると思う。

 

今回、1万円自腹を切って実験してみて、似顔絵アイコンだけではなく、ものすごい勉強をさせてもらいました。

 

というわけで、うちの会社の仕事も少し出して見ることにしました。

SearchMan(アプリ開発者向けApp Store SEOツール)のインフォグラフィック・デザイン

こちらは3万円にしてみました。こういうのをたくさんやって行きたいと思っていて、ご提案をいただいた人の中で、弊社が素晴らしいなぁと感じた方には、このブログで紹介するのはもちろん、次々とお仕事をお願いしていきたいと思っています。

 

読者の皆様、この記事と、上述のお仕事のシェアをよろしくお願いします。